ちゃくちゃくと時間は進んでいく。

自分たちの裏工作はあまりうまく行かなかった。

さすがにこの連合軍を組織しているだけある。

だが、俺らも、一介の忍び。

自分の故郷を捨てられようか。

例え、どんなに、己の一族が、里を裏切り、 一族殺しの汚名を着せられようとも

俺が護るべきなのは、愛しい仲間と里なのだから。





風猛る時  

戌の刻。それは、カカシたち暗部と上忍に知らされた、待機時間の時刻。
中忍以上で実力のある忍びたちに、朝から渡された通常任務以外の特殊任務指令。
それは、その指令を受け取った忍び達の空気を静かに変えていく。



酉の刻前から始まった各班の編成も戌の刻に近づくにつれ大詰めになっていく。
残るは、銀狼ことカカシをどこに入れるかだった。
カカシの戦力は暗部の中でも中隊長レベル。
つまり一暗部としては強い部類には入るが、だからと言って広範囲は任せられない。(月組みを基準にしてはならない)ともすると、大隊長か陰月か牙月の下に入ることになる。

だが、各大隊長も、三大幹部もカカシとの相性はそう良くない。
理由はやはり、ナルトとイルカに起因するもので。
しかも、彼らは何度も、彼の度を越える遅刻癖に参っていた。

そんななか、名乗りを上げたのが、1人だけいた。3年ほど、音の里に対する破壊工作任務で表向き、里を裏切って音に里抜けしたと言われるうちはサスケ―暗部名朧月である。
サスケが幹部の中で一番に相性がいいのは、月組みの面々であれば知っている。それに今回、内々にイルカからの頼みがあったことも影響するのを知っているのは、サスケとナルトとイルカの三人。

「だけど、朧がバレル事だってあるのよ。」そう、言い募った上弦に、サスケは言った。
「万一ばれても対処の仕様はある。それに、俺が担当する場所は、少数でも精鋭が集められている。
 それに、俺もカカシもどちらかと言うと、1人で多人数を相手にするには向いていないことぐらいみんなだ って分かっている。」暗に私情を挟むな。そう、サスケは言ったのだ。

上弦は思う。
「こんなところで、年季の差がでてしまうなんて・・・」
それだけ、サスケは月組みにいる年数は長い。そして、こんなとき彼の一族が行ったことがそれだけ、サスケとイタチを縛り付けていることを実感する。

シーンとなった幹部会議室で、どれだけの時間がたったのか。数秒だったのか、数十秒だったのか…。その沈黙は暗部総隊長瞬夜によって破られた。

「この件に関しては、朧月に一任する。確かに、みんながそれぞれ、カカシに少なからず、良い思いを持っていないことは承知だ。
だが、こんなところで私情を入れることはない。
何のために、今ここにいるのかそれは、皆がわかっていると思う。」

そういう、瞬夜の言葉で、カカシはサスケの班に組み込まれた。




そんなことは露知らず、カカシも、上忍待機所にむかった。今夜が山であることは、あの任務書が出た時点で分かっていた。そして、参報所属のイルカでさえ戦闘に出る可能性があることも…。
戦闘に出るそれだけは、イルカに止めてほしいと思う。だけど、それは、イルカ自身が望まないことだ。里の一大事には恋人を放ってでも、イルカは動かなければいけない立場にある。なまじ一般の暗部並みの実力(だとカカシは思っているが、カカシよりも実は上)を持っているからこそ、彼は動くのだ。

そう思いつつ、カカシは上忍待機所につく。今回は、サクラが、呼ばれていない。普段、暗部として組ませるなら、一緒に呼ばれるはずなのに…。そう思いつつある、可能性に思い当たる。
 
10年近く前、2000人近くの忍びたちが里を襲ってきたことがあった。そのとき、上忍として、この特殊任務を受けているものの他に、暗部として受けているものも多かった。暗部にいた自分は、上忍としての任務は受けていなかったが、当時、暗部と上忍任務を兼務していた奈良上忍や特上の春野モモカさんもそうだった。どっちで召集するのかは、参報と総隊長や幹部によって決められる。特に、カカシやサクラみたいに二重生活者は今回もそのパターンなのだろうと思った。

「皆。遅くに集まってくれてご苦労。今から呼ぶものは、大隊長朧月とともに里の南東部をやってもらう。」
カカシがついて数分後、上忍待機所に、総隊長と1人の大隊長のマントを着た青年が現れ、開口一番に、こう言った。
皆耳を澄ます。特に、大隊長朧月は、5年近く前に大隊長桜月の後任として中隊長から抜擢され、その後木の葉崩しの数ヵ月後ちょうどサスケが里抜けした頃にどこかの国へ潜伏任務で出ていたことから、あまり分からない、情報が少ない暗部の幹部だった。その幹部とともに任務と言うことで、やはり、ここに集まっている忍びたちも興奮しているのだろう。
里がこんな事態でも、強いものには目がない忍びの性と言うべきか…。

ふと、イルカに探りを入れたときこんな返事が返ってきたことを思い出す。
「えぇ。朧君は優秀ですよ…。しかも、隠密に向いている暗部の1人です。彼がいなければ、三代目時代に受けていた長期任務は成功しなかったですから。」

「副隊長に畑カカシ。おいカカシはどこにいる?まさか、いつもの大遅刻か?」
ふと、トリップしていたときに名前を呼ばれ慌ててカカシは返事をした。







ようやっと少し進みました。ほんとはもう少し進める予定だったけれど・・・おもったより長くなるのでここでいったん、区切りです。


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